寄居中町猩々山車 タイトル ご挨拶ページはこちら 歴史ページはこちら 修復の記録ページはこちら 神田囃子の伝承ページはこちら 祭典風景ページはこちら
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荒川は秩父山塊に源を発し、険しい峡谷を下り秩父盆地を横切り寄居町へ達します。寄居町は埼玉県北西部荒川扇状地の扇頂に位置し、川はここより広大な関東平野へ注ぐことになります。この地は秩父往還街道筋の宿場町として、また天然の要害鉢形城の城下町として古くから栄えました。古くから近世にかけての寄居地域は、武蔵国榛沢郡、男衾郡、一部秩父郡に属していましたが、明治22年(1889)の町村制施行に伴い近隣村と合併し寄居町として発足、昭和30年(1955)更に近隣村との合併を重ね現在に至っております。

寄居町に鎮座する宗像神社の歴史は古く、大宝元年(701)に宗像大社の御分霊を遷し祀ったと伝わっており、平成25年(2013)には本殿の屋根等の大修理が行われました。当神社の例大祭は毎年、春と秋に斎行され、秋の例大祭には市街地主要道路が歩行者天国となり、氏子各町による山車の巡行が神田囃子の音色と掛け声に伴われて華やかに行われます。山車祭りとしての歴史も古く文政3年(1820)には現在と同じ「渡御」、「還御」の形式で実施されていたとの記録が残っております。

現在中町所有の山車は安政5年(1858)に再建されたものと伝えられております。最上段に飾られた猩々人形が上下に動く江戸型山車の構造を持っており、中下段には刺繍の施された華麗な幕と繊細な彫刻を飾り、これらが相俟ってより一層山車の華麗・荘厳さを引立てております。山車に詳しい見物客からもお褒めの言葉をいただくなど、近世に製作された山車として文化財的価値を有するものと考えております。

前述のように文化財的にも価値ある山車ですが、経年劣化等による損傷が著しく例大祭での安全巡行に懸念が生じており、今般文化遺産総合活用推進事業へ応募し、文化芸術振興費補助金を活用させていただき、山車の保存修復ならびに例大祭を盛り上げる神田囃子の伝承活動に取組んだわけであります。平成31年(2019)3月末をもちまして山車の保存修復は無事完了、伝承活動も活発に進み地域活性化の一役を担うことも出来たようです。
今回の活動を機会に、宗像神社例大祭を始め寄居町の祭事・文化を益々充実・活性化させてまいりますので、寄居町へのご来訪を宜しくお願い申し上げます。

寄居町文化財活用活性化実行委員会前委員 新井純
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